株式会社エスエイアシスト

大雨・水害で浸水…家は解体すべき?後悔しないための6つの判断基準

独自のノウハウにより安心・安全、そしてリーズナブルな解体サービスを提供する株式会社エスエイアシストがお届けする解体コラム。今回は「大雨・水害に遭った家屋の解体」についてです。

大雨による水害で自宅が浸水すると、「もう解体するしかないのか」「まだ住めるのか」と気持ちが大きく揺れるものです。何から手をつければいいかわからず、片づけや解体を急ぐあまり、後から受け取れるはずだった保険金や公的支援の手続きに必要な証拠を失ってしまうケースは少なくありません。

この記事では、大雨・水害に遭った家の解体を考える際に、決断の前後で確認しておきたい6つのポイントを、時系列に沿って解説します。失敗しやすい落とし穴を事前に把握し、冷静な判断の参考にしてください。

大雨による水害は都市部でも起こる?まず知っておきたい3つの浸水パターン

近年、線状降水帯やゲリラ豪雨といった言葉を耳にする機会が増えました。内閣府の「平成30年版 防災白書」の記載でも、1時間に50mm以上の非常に激しい雨の年間発生回数は、1976年以降の統計で増加傾向にあるとされています。また、2012年からの10年間に全国の98%以上の市町村で水害・土砂災害が発生しており、大雨による水害はもはや一部の地域だけの問題ではありません。

水害というと川の氾濫を思い浮かべがちですが、実際には次のように複数のパターンがあります。

外水氾濫:河川の水があふれたり、堤防が決壊したりして、住宅地に水が流れ込むケース
内水氾濫:短時間の大雨で下水道や排水路の処理能力を超え、道路や低い土地にある住宅に水があふれるケース。河川から離れた都市部でも起こります
土砂災害:大雨で斜面が崩れ、土砂や流木が家屋に流れ込むケース

どのパターンで被害を受けたかによって、家屋の傷み方や、後述する保険の扱いが変わることがあります。まずは「自宅で何が起きたのか」を冷静に整理することが、解体か修繕かを判断する第一歩です。

水が引いた直後は「安全確保」と「記録」を最優先に

水が引くと、すぐに泥出しや家財の廃棄を始めたくなります。しかし、次の順番を意識するだけで、その後の手続きが大きく変わります。

① まず身の安全を確保する

浸水した住宅では、感電やガス漏れ、床や壁の腐食による転倒・崩落などの危険があります。ブレーカーを落としたうえで、水に浸かった分電盤やコンセント、家電製品には触れず、電力会社や電気工事業者に点検を依頼してください。ガス設備も同様に、専門業者の確認が終わるまで使用を控えましょう。泥や汚水にはさまざまな雑菌が含まれているため、作業時は長靴・ゴム手袋・マスクを着用し、けがをした場合は早めに医療機関を受診してください。

② 片づける前に「記録」を残す

保険金の請求や市町村の被害認定では、被害の程度を客観的に示す資料が重要になります。廃棄や清掃を始める前に、次の内容を写真や動画で残しておきましょう。

・壁や柱に残った浸水の跡(水位線)。メジャーやスケールを添えて、地面や床からの高さがわかるように撮影する
・建物の外観(四方向)、各部屋の室内、床下、基礎の状態
・給湯器・エアコン室外機・分電盤など、屋外や低い位置にある設備
・壊れた家財や家電。処分する前に撮影し、購入時期や型番もメモしておく
・泥出し・清掃・応急修理の日付と作業内容(領収書は保管しておく)

③ 「解体するしかない」と決めつけない

家屋の被害は、床下や壁の内部など目に見えない部分に及んでいることがあります。反対に、床下浸水にとどまる場合は、乾燥・清掃・消毒などで対応でき、解体を免れるケースも少なくありません。ただし、基礎や土台、断熱材などに傷みが出ていないかは専門家の確認が必要です。この段階では、自己判断で解体の契約や着工を急がないことが大切です。

「安全確保 → 記録 → 専門家の確認」の順で進めましょう。この3つを先に済ませておくと、後の手続きがスムーズになります。

火災保険の「水災補償」を確認する(解体・撤去の前に保険会社へ連絡を)

大雨による水害では、火災保険の「水災補償」が使える可能性があります。ただし、水災補償は契約時に選択できる補償であり、付けていない契約もあります。まずは保険証券や契約内容を確認しましょう。

水災補償の保険金が支払われる条件は、保険会社や商品によって異なりますが、一般的な目安として次のように定められています。

被害の状況水災補償の扱い(一般的な目安)
建物や家財に、再調達価額の30%以上の損害が生じた支払い対象となる可能性がある
床上浸水した支払い対象となる可能性がある
床下浸水でも、地盤面から45cmを超える浸水があった支払い対象となる可能性がある
床下浸水で45cm以下、かつ損害が30%未満原則として対象外となることが多い
屋根や外壁の劣化部分から入った雨水(雨漏り)水災補償の対象外とされるのが一般的

※実際の支払い可否は、保険会社の損害調査を経て判断されます。詳細は加入中の保険会社・代理店にご確認ください(保険の支払い可否や各種制度の適用は個別の状況によって異なります)。

保険を使う場合の注意点

・撤去・解体の前に保険会社へ連絡する:損害調査の前に建物を壊してしまうと、被害の状況を確認できず、手続きに支障が出るおそれがあります。「保険金が出る前に解体を始めても大丈夫か」と迷う方も多いですが、基本的にはおすすめできません。やむを得ず先に撤去が必要な場合も、事前に保険会社へ相談し、写真などの記録を十分に残してください。

水位の高さを自己判断しない:「45cmを超えたかどうか」の基準となる「地盤面」とは、基礎の底面ではなく、建物の周囲の地面を指します。微妙な高さの判断は保険会社の担当者が現地で確認して判断するため、自己判断で「対象外だ」と諦めず、メジャーを添えて測定した高さの記録を用意して相談すると話がスムーズです。

・解体費用の扱いは契約ごとに異なる:損害保険金とは別に、残存物取片づけ費用などの費用保険金が用意されている契約もあります。

・原因によって補償が変わる:地震や津波が原因の水の被害は地震保険の領域になります。

市町村の「被害認定」で家の被害はどう判定される?

大雨などの災害で住宅が被害を受けた場合、市区町村が被害認定調査を行い、住家の被害の程度を判定します。内閣府(防災担当)の「災害に係る住家の被害認定基準運用指針」では、損害割合に応じて次のように6区分で判定されます。

認定区分損害割合
全壊50%以上
大規模半壊40%以上50%未満
中規模半壊30%以上40%未満
半壊20%以上30%未満
準半壊10%以上20%未満
準半壊に至らない(一部損壊)10%未満


水害の場合、浸水の深さ(床上何cmまで水が達したか)や、外壁・サッシなどの損傷の程度が判定の大きな手がかりになります。水流や土砂・がれきの衝突といった外力による損傷があるかどうかによって判定の方法も異なるため、ここでも事前の「写真記録」が重要になります。

認定結果に納得できないときは

認定結果は、罹災証明書(住宅の被害の程度を公的に証明する書類)を通じて各種の支援制度の前提になります。通常、第1次調査は「外観からの目視調査」が中心となるため、室内の床上・床下の被害状況が判定に十分に反映されないケースがあります。そのため、内閣府の運用指針では、第1次調査を受けた被災者から申請があった場合に、より詳細な「立ち入りによる第2次調査」を実施する流れが示されています。判定に疑問があるときは、期限内に市町村の窓口へ再調査を相談しましょう。

「解体」「修繕」「売却」を分ける3つの判断軸

安全確保、保険、被害認定の確認が進んだら、いよいよ家をどうするかの判断です。次の3つの軸で整理すると、迷いが減ります。

① 建物の状態と修繕コスト

築年数の古い木造住宅で広範囲に床上浸水した場合などは、修繕費用が高額になり、建て替えや解体のほうが合理的なこともあります。現地調査を受けたうえで、「修繕する場合」と「解体して建て替える場合」の概算費用を並べて比較しましょう。

② 土地の水害リスク

修繕や建て替えをするにしても、「同じ場所でまた被害に遭う可能性」は無視できません。ハザードマップで浸水想定の深さを確認し、リスクが高い場所で再建するなら、基礎を高くする、止水板を設置するといった対策費用も同時に検討しましょう。

③ 今後の使い道

使い道がはっきりしないまま傷んだ建物を放置すると、劣化が進み、近隣への影響も心配になります。「大雨で被害を受けた家を、解体せずに売ることはできるか?」という疑問を持つ方も多いですが、仲介で売却する方法のほか、不動産会社が建物付きのまま買い取る方法もあります。買取は解体費用を先に負担せずに済み、早期に現金化しやすい一方、価格は仲介より低くなる傾向があります。いずれの場合も、売却時は被害の状況や修繕履歴を正確に伝えることが大切です。

水害後の解体業者選び|災害に便乗した悪質商法に注意

国民生活センターの「ご用心 災害に便乗した悪質商法」でも注意が呼びかけられているように、自然災害の後には悪質商法や住宅修理をめぐるトラブルが多く発生する傾向があります。不安をあおって契約を急がせる、「保険を使えば自己負担なしで工事できる」と突然訪問してくるといった事例が報告されています。極端に安い見積りにも、不法投棄や後からの高額な追加請求といったリスクが潜んでいることがあります。

契約前に確認したい項目

解体工事業の登録、または建設業許可を持っているか
現地を確認したうえで見積書を出しているか
見積書が「一式」ばかりではなく、内訳が明記されているか
追加費用が発生する条件を事前に説明しているか
廃棄物の処理方法や近隣への配慮について説明があるか

被災地域では解体の依頼が集中し、「早く決めないと着工が遅れる」と焦りがちですが、可能であれば複数社から見積りを取り、内容を比べてください。ご自身で探すのが難しい場合は、まずは無料相談・無料見積りに対応している地域の信頼できる業者へ問い合わせてみることをおすすめします。

解体後に必要な手続きと、見落としがちな固定資産税

解体工事が終わっても、手続きは終わりではありません。後回しにしがちな2つのポイントを押さえておきましょう。

建物滅失登記は「1か月以内」

登記されている建物を解体したら、不動産登記法第57条により、建物がなくなった日から1か月以内に「建物滅失登記」を申請する義務があります。正当な理由なく怠ると、10万円以下の過料の対象になる可能性があります。登記を放置すると、登記簿上に存在しない建物が残り続けるため、土地の売却や建て替えのローン審査に支障が出るだけでなく、すでにない建物に対して固定資産税を余分に払い続けてしまうリスクがあります。手続きは自分で行うことも可能ですが、難しい場合は土地家屋調査士に依頼することもできます。

更地にすると固定資産税が上がる可能性

固定資産税・都市計画税には「住宅用地の特例」があり、解体して更地になるとこの特例が外れ、土地にかかる税額が上がる可能性があります(税額の詳細は個別の状況により異なります)。建物分の税金はなくなるため総額が単純に増えるわけではありませんが、解体する時期(1月1日をまたぐかどうか)によって、翌年以降の税額が変わることがあります。災害で被害を受けた場合は減免などの取り扱いを設えている自治体もあるため、解体前に物件所在地の税務担当窓口へ確認しておくと安心です。

まとめ

大雨や水害で被災した家屋の解体は、焦って作業や契約を進める前に「正しい順番」を守ることがすべてです。

まずは自分と家族の安全を確保したうえで、被害状況の写真を詳細に記録し、保険会社や自治体への連絡・確認を優先させましょう。その後、建物の状態や修繕コスト、その土地の水害リスク、そして今後の使い道を総合的に比較することで、解体・修繕・売却のベストな選択肢が見えてきます。手続きや業者選びに迷った際は、信頼できる専門家への早めの相談を心がけましょう。

私たち株式会社エスエイアシストは、解体工事だけでなく、不動産売却や土地活用のご相談にも対応しています。

・建物調査を踏まえた解体・リノベ判断
・更地化した場合の土地活用提案
・現況売却や買取のご相談対応
など、状況に応じた選択肢をご提案しています。

これまでも様々な物件に関するご相談を数多く対応してきた実績がありますので、解体・撤去工事などでお悩みの方は、ぜひ一度エスエイアシストへご相談ください。

 
 
弊社は「ピタットハウス浦和西口店・恵比寿店」としての営業を2026年7月をもって終了し、
「【エスエイアシスト本店(浦和)/東京支店(池袋)】」としてリニューアル営業しております。
過去のブログ内に旧店舗名の表記が残っている箇所がございますが、スタッフや運営会社等に変更はございません。
これまで以上に皆様のニーズに寄り添った不動産・解体サポートに努めてまいります。

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