レベル3建材って何?解体費用が高くなるアスベスト「レベル別」の徹底解説と除去工法の違い

独自のノウハウにより安心・安全そしてリーズナブルに解体サービスを提供する、ピタットハウス浦和西口店・恵比寿店を運営する株式会社エスエイアシストがお届けする解体コラム、今回は「アスベストの飛散性のレベル(1~3)」についてです。
古くなった建物の解体やリフォームを検討する際、「アスベスト(石綿)調査が必要」と言われ、不安になる施主様は少なくありません。特に、「アスベストが見つかると費用が高くなる」という情報はよく耳にしますが、実はアスベストの飛散性によって分類される「レベル」こそが、費用と工期を決定づける最大の要因となります。
「レベル1は危険」「レベル3は比較的安全」といった断片的な情報だけでは、見積もりの適正を判断できません。本記事では、2021年の法改正により規制が強化されたレベル3建材を含め、アスベスト建材をレベル1からレベル3まで完全に分類し、それぞれの建材の種類、除去工法、そして解体費用が激変する理由を徹底的に解説します。
もくじ
アスベストの飛散性に基づく「レベル分類」の基礎知識
アスベストは、その飛散性の高さによって以下の3つのレベルに分類されます。これは、作業員や周辺住民の健康被害リスクを評価し、適切な飛散防止対策(除去工法)を義務付けるために、国土交通省や環境省が定めているものです。飛散性が高いほど、除去時の対策が厳重になり、結果的に工事費用は高額になります。
アスベスト「レベル」と建材の対応関係
| アスベストレベル | 飛散性の度合い | 建材の例 | 除去工法の特徴 |
| レベル1 | 極めて高い | 吹付けアスベスト、アスベスト含有吹付けロックウール | 厳重な隔離・封じ込め措置(特定作業)が必須 |
| レベル2 | 高い | 保温材、耐火被覆材、断熱材、屋根裏や天井の吸音板 | レベル1に準じた隔離養生が必要 |
| レベル3 | 比較的低い | 成形板(スレート板、Pタイル、石膏ボードなど) | 湿潤化、手作業による除去が基本(非特定作業) |
レベル別徹底解説:建材の種類、除去工法、費用目安
ここからは、レベルごとの具体的な建材、採用される工法、そしておおよその費用目安について詳しく見ていきましょう。
レベル1:最も危険性が高く、厳重な特定作業が必要な「吹付け材」
レベル1は、アスベスト含有率が高く、極めて脆い非飛散性の建材です。わずかな振動や風で大量の粉じんが飛散する危険性があるため、除去には最も厳重な対策が求められます。
【レベル1建材の例】 レベル1の代表例は、耐火性や吸音性を目的に鉄骨の柱や梁、天井などに吹き付けられた吹付けアスベストです。また、吹付けアスベストが禁止された後に代替品として使用されたアスベスト含有吹付けロックウールも、同様に高い飛散性を持つため、このレベルに分類されます。
【除去工法(特定作業)】 レベル1の除去工事は、まず作業場所を完全に隔離し、外部へのアスベスト飛散をゼロにする厳重隔離養生から始まります。次に、作業エリア内の気圧を外部よりも低く保つ負圧除じん機を稼働させ、万が一の飛散も外部へ漏らさないように徹底します。除去作業中は、水を噴霧してアスベストの粉じんを固める湿潤化を併用しながら、慎重に取り進められます。
【費用目安】 厳重な準備、作業、処分が必要なため、レベルの中で最も高額です。坪単価で数万円〜数十万円になることも珍しくありません。
レベル2:隔離養生が必須となる「保温材・耐火被覆材」
レベル2は、レベル1に次いで飛散性が高い建材で、パイプやボイラーの周囲など、設備関係に使用されていることが多いのが特徴です。
【レベル2建材の例】 レベル2建材には、水道管や蒸気管などのパイプに巻き付けられたアスベスト含有保温材があります。また、エレベーターシャフトやダクトなど設備の周囲に使用されるアスベスト含有耐火被覆材や断熱材も、飛散性が高いためレベル2に分類されます。
【除去工法】 レベル1ほど厳重ではありませんが、作業場所の隔離養生は必須です。飛散防止のため、薬液による固化や湿潤化といった措置が取られます。
【費用目安】 レベル1よりは安価になりますが、隔離費用や特殊な廃棄物処理費用がかかるため、比較的高額になる傾向があります。
レベル3:規制強化で解体費用が高騰する「成形板」
レベル3は、アスベストがセメントなどで固められており、通常の状態ではほとんど飛散しない非飛散性の建材です。以前は比較的簡単な対策で処理できましたが、2021年の法改正(大気汚染防止法)により、規制が大幅に強化され、現在最も注目されています。
【レベル3建材の例】 レベル3建材は、アスベスト含有建材の中でも最も使用範囲が広いのが特徴です。屋根材や外壁材として普及しているスレート板をはじめ、オフィスや学校の床材に使われるビニル床タイル(Pタイル)、天井材のロックウール吸音板、さらには裏面にアスベスト含有の紙が使われている石膏ボードなどが該当します。
【除去工法】 レベル1・2のような厳重な隔離養生は不要ですが、湿潤化の徹底と手作業による取り外しが義務付けられています。電動工具の使用は原則禁止で、建材を破損させないように慎重に取り扱うことが重要です。
【費用目安】 レベル1・2に比べれば大幅に安価ですが、規制強化によって「ただ壊して捨てる」ことができなくなり、以前よりも費用は上昇傾向にあります。特に人件費や廃棄物処理費が増加します。
レベル3の規制強化が「解体費高騰」を招く構造
なぜ、飛散性が低いとされるレベル3建材の規制強化が、解体費用の上昇につながっているのでしょうか?これは、建物の老朽化や解体時に切断・破砕されると、アスベストが飛散する危険性があるためです。2021年の法改正は、こうした不適切な処理による飛散を防止し、作業員の安全を確保するために以下の点を義務付けました。
規制強化の背景:老朽化と不適切な処理の防止
レベル3建材は、製品として固まっている状態では安全ですが、建物の老朽化や解体時に切断・破砕されると、アスベストが飛散する危険性があります。
2021年の法改正は、こうした不適切な処理による飛散を防止し、作業員の安全を確保するために、レベル3建材に対しても「作業計画の策定」や「湿潤化措置」、「手作業による除去の徹底」を義務付けました。
費用が高くなる具体的な理由
レベル3建材の除去費用が上昇している主な理由を、3つの側面から解説します。
1. 電動工具が使えないことによる工期の延長と人件費の増加
規制により、電動工具が使えず、建材を破損させないよう全て手作業で慎重に取り外す必要があります。このため、作業時間が大幅に延びることで、人件費が増加し、トータルの工期も延長する結果となります。
2. 厳格化された「石綿含有廃棄物」処理費用の高騰
レベル3建材であっても、現在は「石綿含有産業廃棄物」として厳格に分別・梱包し、専用の処分場で処理することが義務付けられています。この中間処理・最終処分にかかるコスト自体が、年々高騰しており、解体費用を押し上げています。
3. 資格者による事前調査の義務化
2023年10月からは、アスベストの事前調査が有資格者(石綿含有建材調査者)によって行われることが義務化されました。無資格での調査が禁止されたことで、調査の質が向上し、それに伴い調査費用も適正化・増加しています。
※事前調査の義務化についてはこちらの記事でも解説しております。
施主が解体費用を抑え、トラブルを回避するための3つのポイント
アスベスト対策で費用を抑え、スムーズに工事を完了させるために、施主様は以下の3点を徹底しましょう。
ポイント1:アスベスト調査のタイミングと結果の確認を徹底する
解体工事の着工前に、必ず有資格者による事前調査を依頼し、建物のどこに、どのレベルのアスベストが、どのくらいの量使われているかを正確に把握しましょう。この情報がないと、業者も正確な見積もりが出せず、結果的に高めの概算で契約することになりかねません。
ポイント2:見積もり書で「レベル別」の費用内訳を確認する
見積もり書を受け取ったら、以下の項目がレベル別に明確に記載されているか確認してください。これらの内訳が「アスベスト一式」とまとめてある場合は、必ず詳細を要求し、レベル別の作業内容と費用を理解することが、不当な高額請求の回避につながります。
・産業廃棄物処理費用(アスベストレベル別の処理費)
・除去対象建材のレベル(例:レベル3スレート板)
・除去工法(例:手作業による湿潤化除去)
・飛散防止対策費用(養生費用)
ポイント3:近隣住民への説明責任を業者と共に果たす
アスベスト除去工事は、周辺住民にとって最も不安を感じる工事の一つです。業者に大気汚染防止法に基づく掲示義務を果たしてもらうのはもちろん、施主様も業者と連携し、事前に「除去するアスベストのレベル」「工法」「安全対策」について丁寧に説明する機会を設けることで、近隣トラブルを未然に防ぐことができます。
まとめ
本記事では、アスベストの「レベル」が解体費用に与える影響について解説しました。
・レベル1・2: 吹付け材や保温材など、飛散性が高く、厳重な隔離養生が必要で費用が高額になる。
・レベル3: 成形板などで飛散性は低いが、規制強化により手作業が必須となり、工期と費用が増加傾向にある。
アスベスト対策で適正な工事を行うためには、アスベストのレベルと工法を理解し、その詳細が見積もりに反映されているかを施主様ご自身で確認することが非常に重要です。解体業者を選ぶ際は、アスベスト調査の有資格者が在籍しているか、そしてレベルごとの除去実績が豊富であるかを基準に選定しましょう。
私たちエスエイアシストでは、不動産解体業者として丁寧で綺麗、クレームのない解体工事に力を入れています。また、ピタットハウス浦和西口店・恵比寿店を運営しており、安心してご依頼いただけます。これまでも様々な物件に関するご相談を数々と解決してきた実績がありますので、解体工事やアスベスト調査などでお悩みの方は、ぜひ一度エスエイアシストにご相談ください!お待ちしています。