線状降水帯で高まる「土砂崩れ・崖崩れ」リスク|裏山・擁壁に不安がある空き家を安全に解体する方法

独自のノウハウにより安心・安全、そしてリーズナブルな解体サービスを提供する、株式会社エスエイアシストがお届けする解体コラム。今回は、豪雨による地盤崩落や裏山・擁壁の危険性を抱えた空き家の解体方法や自治体の助成制度、安全に手放すための判断ポイントについて解説します。
近年、線状降水帯による大雨や集中豪雨が各地で発生し、土砂災害や浸水などへの警戒が呼びかけられています。気象庁も、線状降水帯が発生すると災害発生の危険度が急激に高まるとしており、崖や沢など危険な場所にいる場合は、状況に応じた早めの安全確保を呼びかけています。
また、線状降水帯の発生頻度や強度については、地球温暖化に伴って増加するとの研究がある一方、気象庁は将来変化について「知見はまだ十分ではなく、更なる研究が必要」としています。そのため、特定の地域で今後どの程度増えるかを一概に判断することはできません。
こうした大雨の影響を受けやすい、傾斜地や崖・擁壁に近接した空き家では、建物だけでなく周辺の地盤や擁壁の状態も含めて管理することが重要です。
もくじ
大雨や線状降水帯で増す「土砂崩れ・崖崩れ」リスクと所有者の損害賠償責任
近年は、線状降水帯や局地的な集中豪雨による大雨災害が各地で発生しています。特に、山間部や傾斜地、崖に近接した住宅では、大雨による土砂災害や地盤の変状などに注意が必要です。
また、古い擁壁や斜面に近接した空き家では、建物だけでなく擁壁・斜面・排水設備などの状態も確認しておく必要があります。
放置された危険空き家・擁壁がもたらすリスク
建物や擁壁の状態によっては損害賠償責任を問われる可能性がある
民法717条では、土地の工作物などの設置または保存に瑕疵があることによって他人に損害が生じた場合の責任について定められています。建物や擁壁などの状態が原因となって、第三者や周辺の建物に損害が生じた場合には、所有者等が法的責任を問われる可能性があります。
ただし、実際の責任の有無や範囲は、工作物の状態や損害の原因、管理状況などによって個別に判断されるため、「所有者であれば必ず賠償責任を負う」と一律に判断することはできません。
特定空家・管理不全空家への対応と固定資産税への影響
空家等対策の推進に関する特別措置法では、放置すれば特定空家等になるおそれのある「管理不全空家等」や、周辺の生活環境に著しく悪影響を及ぼす「特定空家等」について、行政による指導・勧告等が行われる場合があります。
勧告を受けた場合には、住宅用地特例が解除されることがあります。小規模住宅用地では、固定資産税の課税標準が1/6となる特例が設けられているため、この特例が適用されなくなると税負担が大きく増える可能性があります。
近隣への被害や管理上の負担
空き家や擁壁、敷地内の樹木などを適切に管理しないまま放置すると、倒壊や土砂の流出、樹木の越境などによって周辺へ影響を及ぼす可能性があります。
大雨の際に被害が発生する可能性がある土地では、建物だけでなく敷地全体の状態を確認し、必要に応じて専門家へ相談することが大切です。
傾斜地・土砂災害警戒区域(イエローゾーン等)での解体工事の注意点と助成制度
崖付近や傾斜地、土砂災害警戒区域などにある建物の解体では、平坦な敷地とは異なる施工上の注意が必要になる場合があります。
土砂災害警戒区域(イエローゾーン)は、土砂災害が発生した場合に住民等の生命・身体に危害が生じるおそれがある区域です。一方、土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)は、土砂災害が発生した場合に建築物に損壊が生じ、住民等の生命・身体に著しい危害が生じるおそれがある区域として指定されます。
なお、これらの区域に該当することだけを理由として、すべての解体工事が一律に禁止されるわけではありません。区域指定や建物の状況、自治体の条例などによって適用されるルールが異なるため、事前確認が必要です。
傾斜地・危険区域での解体における留意点
重機の搬入ルートと搬出車両のサイズ確認
坂道や細い通路、階段状の敷地などでは、大型重機や大型車両の進入が難しい場合があります。
そのため、現地調査の段階で前面道路や進入路の幅員、敷地内の高低差、電線・周辺構造物などを確認し、現場条件に応じて小型重機や小型車両を選択することがあります。
地盤・擁壁への影響を考慮した施工計画
傾斜地や擁壁に近接した建物では、重機の配置や解体手順、廃材の搬出方法などについて慎重な検討が必要になる場合があります。
特に、既存擁壁や斜面の状態に懸念がある場合は、解体業者だけで判断せず、必要に応じて建築士・土木技術者などの専門家や自治体に確認したうえで施工計画を立てることが重要です。
落下・飛散・土砂流出への対策
傾斜地では、解体部材や廃材が斜面下へ落下することを防ぐため、現場の状況に応じて足場や養生、落下防止対策などを検討します。
また、大雨が予想される場合には、工事を一時中断するなど、天候や現場状況に応じた安全管理も重要です。
自治体の補助制度を確認する
傾斜地や災害リスクの高い区域にある住宅については、一定の条件を満たす場合に、国や自治体の補助制度を利用できる可能性があります。
国土交通省の「がけ地近接等危険住宅移転事業」では、災害危険区域等にある既存不適格住宅等の移転について、危険住宅の除却費や引越費用などが補助対象となる制度があります。対象区域や住宅の要件などが定められているため、すべての傾斜地・空き家が対象となるわけではありません。
また、自治体独自の危険空き家の除却補助制度などが設けられている場合もあります。補助制度は自治体や年度によって内容・予算・申請条件が異なるため、解体工事の契約・着工前に、所在地の市区町村へ利用できる制度があるか確認することが重要です。
傾斜地・崩落リスクのある空き家を安全に解決する3つのアプローチ
崩落の可能性がある空き家や古い擁壁を抱えている場合、建物だけでなく敷地全体の状態を確認したうえで、今後の管理方法を検討する必要があります。
状況に応じて、以下のような選択肢があります。
危険区域・傾斜地の施工実績を持つ専門解体業者へ相談する
高低差のある現場や狭小通路、傾斜地などでは、一般的な住宅とは異なる施工計画が必要になる場合があります。
そのため、過去に同様の条件の現場を扱った実績がある解体業者へ現地調査を依頼し、重機の搬入方法、解体手順、廃材の搬出方法、擁壁への配慮などを確認することが大切です。
解体業者へ直接相談することで、解体工事について施工担当者と直接打ち合わせできるというメリットもあります。
なお、解体後の建物滅失登記については、原則として建物の所有者が申請する手続きです。土地家屋調査士などの専門家への依頼が必要になる場合もあるため、解体業者がどこまでサポートできるかを事前に確認しておくと安心です。
解体補助制度や移転助成制度を確認する
自治体の補助制度の対象となる場合には、制度を利用することで解体・移転などにかかる自己負担を抑えられる可能性があります。
ただし、補助制度には対象区域、建物の状態、所有関係、所得要件などの条件が設定されている場合があります。また、補助金の交付決定前に工事へ着手すると対象外となる制度もあるため、申請時期には特に注意が必要です。
利用を検討する場合は、まず自治体の担当窓口へ確認し、制度の対象となるかを確認してから工事のスケジュールを組みましょう。
「高低差・崖・擁壁あり」の状態で不動産買取を相談する
「解体工事費用を先に用意することが難しい」「重機が入りにくく、解体費用が高額になりそう」「遠方に住んでいて管理や工事の手配が難しい」という場合には、建物や擁壁などが残った状態で不動産会社へ売却・買取を相談する方法もあります。
ただし、崖・擁壁・傾斜地などの条件によっては、買い手側で追加工事や安全対策が必要となるため、必ずしも買取できるとは限りません。また、買取価格や契約条件は物件ごとに異なります。
解体してから売却する方法だけでなく、現状のまま売却できる可能性についても不動産会社へ確認することで、所有者自身が解体費用を負担するケースとの比較ができます。
土砂崩れリスク・傾斜地の危険空き家のお悩みは「エスエイアシスト」へ
線状降水帯や局地的な大雨によって土砂災害が発生する可能性があるため、崖や擁壁に近接した空き家では、建物だけでなく敷地や周辺環境の状態を確認しておくことが重要です。
「安全に解体できるのか」「解体費用が高額にならないか」「補助制度を利用できるのか」「解体せずに売却できるのか」とお悩みの方は、現地の状況を確認したうえで、解体・不動産の双方から選択肢を検討することをおすすめします。
私ども株式会社エスエイアシストは、エスエイアシスト本店(浦和)・エスエイアシスト東京支店(池袋)を運営する不動産のスペシャリストであり、条件のある物件や難度の高い解体施工についてもご相談を承っています。
・高低差のある傾斜地や崖近接、進入制限がある現場の解体・更地化
・現地状況や法規制を踏まえた施工計画のご提案
・解体工事だけでなく、解体後の土地活用や不動産売却/買取についてのご相談
「裏山や擁壁が心配な空き家をどうすればよいかわからない」「解体費用をかける前に売却できるか確認したい」という方も、まずはお気軽にご相談ください。
現地の状況を確認したうえで、解体・売却などを含めた選択肢をご案内いたします。
弊社は「ピタットハウス浦和西口店・恵比寿店」としての営業を2026年7月をもって終了し、
「【エスエイアシスト本店(浦和)/東京支店(池袋)】」としてリニューアル営業しております。
過去のブログ内に旧店舗名の表記が残っている箇所がございますが、スタッフや運営会社等に変更はございません。
これまで以上に皆様のニーズに寄り添った不動産・解体サポートに努めてまいります。