部分解体とは?住みながら不要な部分だけ解体する方法もある?部分解体のメリット・デメリットについて解説します

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ピタットハウス浦和西口店・恵比寿店を運営する株式会社エスエイアシストがお届けする解体コラム、第30回目は「部分解体について」です。
「家の老朽化が気になるけど、全部を壊すほどではない」「使わない部屋だけ取り壊してリフォームしたい」——そんな悩みを抱える方に注目されているのが「部分解体」です。今回の記事では、部分解体の基本から、実際に行う際のメリット・デメリット、注意点までを詳しく解説します。
部分解体とは?
部分解体とは、建物の全体ではなく、構造の一部だけを取り壊す工事のことです。家全体を取り壊さずに、使わない部分や老朽化したスペースだけを撤去することで、必要最小限の工事が可能になります。
部分解体ではどんな作業があるのでしょうか
・改修やリノベーション:建物の一部を更新するために古い部分を取り壊し、新しい部分を追加する。
・拡張:建物の一部を解体して、新しいスペースや部屋を追加するための準備をする。
・安全対策:劣化や損傷が進んでいる部分を取り除き、全体の安全性を確保する。
・環境対策:アスベストやその他の有害物質を含む部分を安全に除去する。
部分解体は、建物全体の解体と比べて作業範囲が限定されている分、時間やコストが節約できる場合があります。また、周囲の環境や建物の他の部分への影響を最小限に抑えることができるのです。
具体的な手法や工程は、解体する部分の規模や位置、目的によって異なりますが、全体の解体と比べて慎重な計画と専門的な技術が求められることも忘れないようにしましょう。
よくある部分解体のケース
ではどんなケースで部分解体が有効なのでしょうか。実際に部分解体を検討するケースについても確認していきましょう。
平屋の一部の部屋を撤去
平屋であれば、一部の部屋を撤去することも検討できます。使われていない物置部屋を撤去して庭スペースに変更する場合などが例としてあげられます。
2階建ての2階部分のみを解体
住まわれている方が高齢になってしまい、階段の昇り降りが困難となってしまうケースはよくあります。その場合には2階部分のみを解体し、1階だけに生活スペースを集約することも1つの案です。
ガレージや倉庫など付属建物の撤去
車を所有しなくなったことでガレージが不要になるなど、付属した建物部分が不要になるケースも多いです。ガレージや倉庫を取り壊して家庭菜園スペースなどに活用されるかたもいるようです。
老朽化した浴室やトイレの撤去・再構築
築年数が増えていくと、水回りの設備はどうしても劣化してしまいます。そんなときは、水回り設備を一新するために部分解体を行うといたケースもあります。
部分解体のメリット
では、建物の全体ではなく、構造の一部だけを取り壊す部分解体のメリットはどんなものがあるのでしょうか?
①解体費用を抑えられる
当然ながら、全体の解体に比べて解体面積が小さい分、工事費や人件費、廃棄物処理費用が削減できます。建物の状態や環境によっても変動しますが、2階のみの解体であれば、全体解体の半分以下の費用で済む場合もあるようです。
②工期が短くて済む
解体する範囲が限定されているため、建物全体の解体に比べて短時間で完了することが多いです。特に、急ぎの改修や修繕が必要な場合、迅速に対応することも可能でしょう。
③環境負荷が小さい
廃材の量が少なく、リサイクル可能な部材も残りやすいため、材料を再利用することも促進されます。近年注目されている「サステナブル解体」とも親和性が高いため、環境を意識される方にはおススメな手法です。
④住みながら工事できるケースも
建物全体を解体せずに、一部のみを取り壊すことで、建物の他の部分の機能を維持できます。例えば、水道・電気・ガスなどのライフラインを残したまま、一部のみの解体が可能だったり、商業施設やオフィスビルの一部を解体しても、他の部分を通常通り運営できたりする場合があります。
生活環境が変わると負担が大きい、高齢世帯や子育て世帯でも安心して生活を続けながら工事できる可能性があるのです。
⑤機能的な空間設計が可能に
使っていない部屋を取り除いて庭や駐車場に変えるなど、ライフスタイルに合わせた空間再設計が可能です。柔軟なアプローチが可能になるため、既存の建物の価値を最大限に活用できます。
⑥法規制への適応にも
建築物に関わる建築基準法などの法令や条例は、時代と共に変化していきます。部分解体により、こうした新たな建築基準や法規制に適合するための改修が可能です。法的な問題を回避しながら、建物の安全性や機能性を向上させることも選択肢の一つになるかもしれません。
部分解体のデメリットと注意点
部分解体のメリットについて解説してきましたが、当然ながらデメリットや注意点もあります。特に全てを解体する場合に比べて解体の際の慎重な計画や、業者の技術力も大きな懸念点となります。部分解体を選択肢として考えていくために、しっかりとデメリットと注意点についても確認していきましょう。
①解体計画が複雑になる
解体部分と残存部分の連携や影響を考慮する必要があり、構造計算や強度確認が必要なため、設計段階から建築士や解体業者との綿密な連携が必要となります。
支持壁や耐震壁を誤って取り除くと建物全体の安全性が損なわれる可能性もあるため、専門的な知識と経験が求められるのです。
②思わぬ追加費用が発生することも
解体中にシロアリ被害や腐食箇所など構造的な問題や隠れた損傷が発見され、追加の補修工事や解体工事が必要になるケースがあります。そうなれば、当然ながら追加費用だけでなく、工期の延長にも繋がってしまうでしょう。
また、次の項目にもつながりますが、解体工事後の補強・防水処理といった費用についても事前に考慮しておかなければなりません。うすること、風通しを良くするために基礎部分や地盤を乾燥させる工夫を施すことが必要です。
③解体後の仕上げ工事が必要
屋根の一部を解体した後、防水処理を施さないと雨漏りの原因になってしまう、といったように、解体後の外壁や屋根の再施工が必要です。全体の解体と違い、単なる「壊す」だけで終わらないこともしっかりと認識しておきましょう。
④騒音・粉塵のリスク
一部だけの工事でも騒音・振動は避けられません。残存部分の利用者や居住者に対して騒音や振動、ほこりなどの影響を与える可能性を考慮することや、ほかの解体工事と同様に、近隣への事前説明や配慮が必要なことも忘れないようにしましょう。
特に住宅街では「近隣トラブル」に発展する可能性もあるため、騒音や粉塵対策について、しっかりと確認し対策をしてくれる業者を選ぶことが重要です。
⑤複雑な許認可手続き
通常の解体や建築と同様に、部分解体でも建物の用途や地域の規制に応じた各自治体の許認可が必要となる場合があります。これらの手続きが複雑で時間がかかることがあり、プロジェクトの進行に影響を与えることもあるかもしれません。
部分解体の費用に影響する要因って?
部分解体の費用は、どんな要因で変化するのでしょうか。基本的に通常の解体と同じような要因で費用は変動しますが、部分解体の費用が変化する要因についても確認しておきましょう。
解体する部分の規模と範囲
当然ながら、高層ビルの一部を解体する場合と平屋の一部を解体する場合では、費用が大きく異なるように、解体する部分の面積や体積が大きいほど、費用は高くなります。
構造の種類
鉄骨造、鉄筋コンクリート造、木造など、建物の構造によって解体の難易度と費用が異なります。鉄筋コンクリート造は特に高額になる傾向があります。各構造の解体コラムについては以下の記事を参考にしてください。
立地条件と作業の難易度
都市部や住宅密集地では、作業スペースが限られており、周囲の建物やインフラへの影響を最小限に抑えるため、手作業や特殊な機械や技術が必要となる場合があります。そういった場合では費用が増加してしまうのです。
廃棄物処理費用
解体によって生じる廃棄物の量や種類(アスベストなど有害物質が含まれる場合)によって、廃棄物処理費用が変わります。
その他の条件
デメリットでも記載しましたが、解体後の再建計画や追加の補強工事が必要な場合、それに伴う費用が発生します。許認可取得や安全対策のための費用も考慮されるためです。
このような費用が変動する要因を把握しながら、複数の業者に見積もりをとって信頼できる業者を選ぶことが重要です。
まとめ
部分解体は、「建て替えまでは考えていないけれど、今の住まいに不便を感じている」という方にとって非常に有効な選択肢です。費用対効果や環境面でのメリットも多く、住みながら安心して進められるケースがあるのも大きな魅力です。
ただし、計画の立案や施工には専門的な知識が必要不可欠です。納得できる費用で安心して工事を進めるためにも、実績ある解体業者に早めに相談しましょう。
私たちエスエイアシストでは、不動産解体業者として丁寧で綺麗、クレームのない解体・撤去工事に力を入れています。また、ピタットハウス浦和西口店・恵比寿店を運営しており、安心してご依頼いただけます。これまでも様々な解体工事に関するご相談を数々と解決してきた実績がありますので、部分解体でお悩みの方は、ぜひ一度エスエイアシストにご相談ください!お待ちしています。